デジタルで社会・産業・経済・地方を変える:森川博之

VISION:「社会基盤ICT」と「エクスペリエンスICT」

未来を創るICT(情報通信技術)として,「社会基盤としてのICT」と「エクスペリエンスとしてのICT」の2つを想定している.クラウドに収集される「多種多様な膨大なストリームデータ(センサ等から得られる時系列データ)」が競争力の源泉となる世界である.特に,環境,都市,土木・建築,農業,医療,資源などの分野から集められるストリームデータを利活用する新たなストーリー展開を考え,産業構造,経済構造,社会構造の大きな変革につなげていきたい.
ピーター・ドラッカーは,蒸気機関が鉄道の登場を促し,鉄道の登場がめぐりめぐって郵便,銀行,新聞などの登場につながったと喝破しているが,ICTも長い年月をかけて新しい産業と社会制度の確立に寄与していくことになる.うならせる「社会基盤としてのICT」「エクスペリエンスとしてのICT」でもって,国内外が抱える社会問題を解決するとともに人類の知的活動を支援する社会の創造に寄与することがゴールとなる.

RESEARCH

「社会基盤としてのICT」「エクスペリエンスとしてのICT」を実現する情報基盤/インフラストラクチャの構築に向けて,現在のネットワークを再度根本から捉え直し,新たなるフレームワークを構築することを目指している.また,革新的な新世代ネットワークの利用技術,コンピューティング環境のあり方を示唆することも目指し,「新しいネットアーキテクチャの開発」「ユニークなアプリケーションプロトタイプのデモ」といった両面から研究開発を進めている.具体的には,モノのインターネット/M2M/ビッグデータ,センサネットワーク/無線通信,無線給電,情報社会デザイン,社会実装(橋梁,農業,ヘルスケア,スマートグリッド...)などの研究を行っている.また,開発した技術を企業や海外の研究者と共同して実環境で社会実証研究するため,海外,国内を問わず種々の企業,機関,大学等と積極的に交流してさまざまな研究プロジェクトを進め,先端的なネットワーキング技術の研究を行っている.

MLAB STYLE

研究室のイベントとして大きなものの1つが,冬に開催しているスポンサー企業向けのMLABリサーチフォーラムであり,このようなイベントでのデモ展示が研究生活の一つの節目となっている.当研究室が主催している新世代IoT/M2Mコンソーシアム(100社)などをはじめとして,積極的に外部機関と連携するとともに,泊り込み合宿なども適宜行いながら,鋭意研究を進めている.

電気の回廊