IoT・人工知能社会を迎え、情報処理に必要な消費電力は指数関数的に増大しています。サステイナブルな社会を実現するために、最新の固体物理学・量子力学・材料科学・統計力学の知識を駆使して、次世代を支える最先端デバイスの創出に挑戦しています。
あらゆる電子機器を動かす半導体集積回路は、シリコンでできた非常に微細なトランジスタ素子により支えられています。既にスマートフォン1個あたり十億個ものトランジスタが使われていますが、これからの社会の基盤技術として期待されるIoTや人工知能を支える上で、必要なトランジスタの数は増加を続けています。それに伴い、このような情報処理に必要な消費電力も年々指数関数的に増大しており、2025年には国内の総発電量の20%にも達すると予想されています。
私たちは、サステイナブルかつクリーンな社会を実現するために、最新の固体物理学・量子力学・材料科学・統計力学などの知識を駆使して、次世代の革新的なデバイスを生み出すべく挑戦を続けています。新材料を用いた新しい構造の超高性能トランジスタ、自然科学の基本法則を用いた 人間の脳を模倣するニューロモルフィックコンピューティング、相対論的量子力学を駆使した原理的に電力を消費しない純スピン流やスピン波による人工知能デバイス/スピントロニクスデバイス、有機半導体を用いた生体親和性のあるウェアラブルデバイスなど、従来技術の延長にない革新的な技術の実現を目指しています。
このような研究を進めるには、応用一辺倒の考え方では限界があります。私たちは科学者として、広い視野を持ち純粋な知的好奇心に根ざした探索的なサイエンスの研究も大切にしています。固体物理学や量子力学などの基礎学問をより深く理解し、それらに基づく既成概念にとらわれない柔軟な思考ができれば、大きなブレイクスルーが期待できます。新しい社会を支える新しい革新的なデバイス技術。この研究分野はまさに革命前夜の様相であり、若い皆さんが国際的に活躍できる大きなチャンスがあります。
半導体デバイス研究の最先端で、今世界中でホットに進められている研究にすぐに飛び込んで見たい方、これまで学んできた物性理論や半導体の知識が実際どのように役立つのか実感して見たい方など、意欲的な皆さんの参加を期待します。
教員名:高木信一
大学院:工学系
専攻:電気系(電気電子)
キャンパス:本郷
シリコンを使って光電子集積回路を実現するシリコンフォトニクスの研究を進めています。GeやIII-V族化合物半導体、グラフェンなどの2次元材料をSiフォトニクスと組み合わせることで、光演算で深層学習を行うAI用プログラマブル光回路、光配線LSI、中赤外集積回路などの研究を進めており、ムーアの法則に依らない革新的コンピューティングの実現を目指しています。
教員名:竹中充
大学院:工学系
専攻:電気系(電気電子)
キャンパス:本郷
数ミリ角の半導体チップの内部に光を閉じ込め、その状態を自在に操る技術を研究しています。「電子」にはない「光」ならではの特徴を活かしながら、頭の良い演算は「電子」回路に任せる、いわゆる“良いところ取り”の光電子集積チップを創出し、次世代光通信、光配線、イメージング、センシングなど、幅広い分野への応用を目指しています。
教員名:種村拓夫
大学院:工学系
専攻:電気系(電気電子)
キャンパス:本郷
当研究室では、太陽電池や集積光デバイスを一から実際に作ります。実際に作製されたデバイスと向き合って丹念に特性を調べてみると、コンピュータ上にモデル化されたいわばヴァーチャルなデバイスとは随分異なっていることがわかります。リアルなデバイスとの対話は、われわれにとって最も重要な研究過程と言えます。
教員名:中野義昭
大学院:工学系
専攻:電気系(電気電子)
キャンパス:本郷
再エネ利活用技術の基礎研究から社会実証まで幅広い興味を持って活動しています。電気と化学、研究と社会、インターフェースに最先端が在ります。
教員名:杉山正和
大学院:工学系
専攻:電気系(電気電子)
キャンパス:駒場Ⅱ
電子のスピン機能を活用した新しいエレクトロニクスの創造を目指し、新材料、 ヘテロ構造、ナノ構造、デバイスの研究を行っています。知的好奇心に基づくサ イエンスの基礎研究から工学的応用を視野に入れた研究まで、幅広いテーマに取 り組んでいます。電子のスピン機能を活用した新材料、ヘテロ構造、ナノ構造、デバイスの研究を行っています。
教員名:田中雅明
大学院:工学系
専攻:電気系(電気電子)
キャンパス:本郷
酸化物や半導体などを中心とした様々な材料系からなる高品質の単結晶ヘテロ構造を分子線エピタキシー技術を駆使して作製し、その中でスピンの流れを高効率に制御することにより、スピン流に関係した新しい物理の探索と、それらを活かした高効率な新奇デバイスの実現を目指しています。
教員名:大矢忍
大学院:工学系
専攻:電気系(電気電子)
キャンパス:本郷
半導体基板上への様々な電子材料の創製と機能性の探求、半導体中に生成したスピン偏極伝導電子の物理の解明と制御、を基盤として、半導体スピン機能性デバイスの創出を目指しています。
教員名:中根了昌
大学院:工学系
専攻:電気系(電気電子)
キャンパス:本郷
物性の発現機構を理解すれば、材料の高性能化や応用に望まれる物質創成への手がかりを得ることができます。小林(起)研究室では、機能性電子材料の物性解明や物質設計を目的として、放射光分光を用いた電子状態解析による基礎研究を進めています。
教員名:小林正起
大学院:工学系
専攻:電気系(電気電子)
キャンパス:本郷
有機トランジスタや有機光素子をはじめとしたフレキシブルエレクトロニクスの研究を行っています。クリーンルーム内で印刷装置をはじめとした最新の設備を用いて、新しいデバイス開発やセンサ開発をしています。研究室の運営は染谷隆夫教授と合同で行っています。
教員名:横田知之
大学院:工学系
専攻:電気系(電気電子)
キャンパス:本郷
有機エレクトロニクスの生体・医療デバイス応用に関する研究を日々行っています。国内外の多くの研究グルーブ(科学者、物理学者、医者、企業)と積極的に共同研究を行っています。
教員名:染谷隆夫
大学院:工学系
専攻:電気系(電気電子)
キャンパス:本郷
有機材料ならではの特異的な機能を生かして、生体に応用するためのフレキシブルデバイスの研究に取り組んでいます。近年、皮膚感覚に影響を与えない圧力センサ、炎症反応を生じない通気性電極、細胞レベルまで柔らかいナノメッシュセンサーを提案するなど、高い生体適合性を生かした次世代のバイオインタフェースへの研究を目指しています。
教員名:李成薫
大学院:工学系
専攻:電気系(電気電子)
キャンパス:本郷
Googleは精力的に医学・福祉研究を進めています。Google創始者であるセルゲイ・ブリンが遺伝性パーキンソン病であることも無関係では無いでしょう。我国の医療関連貿易赤字は年3兆円に達します。異分野研究者の考え方を知ることは将来の糧になります。多分野連携研究に挑戦してみませんか!
教員名:小野寺宏
大学院:工学系
専攻:電気系(電気電子)
キャンパス:本郷
フォトニックナノ構造における光および光と物質の相互作用の物理の探求や、トポロジーの概念と光技術が融合したトポロジカルフォトニクスの基盤研究を進め、それらに基づく新たな光デバイスの創出を目指しています。
教員名:岩本敏
大学院:工学系
専攻:電気系(電気電子)
キャンパス:駒場Ⅱ
新たな材料・ナノ構造の光物質について研究しています。特に、量子情報処理の実現に向けて、単一光子源素子の実現とその技術などを開発しています。
教員名:HOLMES MARK JAMES
大学院:工学系
専攻:電気系(電気電子)
キャンパス:駒場Ⅱ
平川研究室では、単一分子や量子ドット、NEMSなどナノ構造の物理を明らかにし、それに基づく新しい動作原理のデバイスや超高感度検出技術などを考える研究を行っています。物理にロマンを感じる人、もの作りが好きな人、歓迎します。
教員名:平川一彦
大学院:工学系
専攻:電気系(電気電子)
キャンパス:駒場Ⅱ
スマートフォンの放熱問題を解決するようなナノ構造を用いた高度な熱伝導・放熱制御技術や、スマート社会の実現に役立つエネルギー自立型センサーを産学連携で研究 開発しています。
教員名:野村政宏
大学院:工学系
専攻:電気系(電気電子)
キャンパス:駒場Ⅱ
本研究室では、ナノメートルオーダの分解能を有するナノプローブ技術を駆使し、ナノ領域での新規物性評価技術を確立することと、そのような物性の理解を通じて新しいデバイスの探求に貢献することを目指しています。
教員名:高橋琢二
大学院:工学系
専攻:電気系(電気電子)
キャンパス:駒場Ⅱ
MEMSは電気、機械、化学、材料力学、流体力学、光学…の複合領域です。また、製作プロセスの構築には、材料特性、半導体プロセスを理解したパズル解法的なひらめきが必要ですし、プレゼンのテクニカル・ドローイングには、芸術的センスも必要です。新分野で現代のレオナルド・ダ・ビンチを目指してください。
教員名:年吉洋
大学院:工学系
専攻:電気系(電気電子)
キャンパス:駒場Ⅱ
平本/小林研究室では、将来の革新的集積ナノエレクトロニクスにおいてデバイスサイドからイノベーションを起こすことにより究極の集積ナノデバイスを追究し、世界の諸課題解決に貢献することを目指します。
教員名:平本俊郎
大学院:工学系
専攻:電気系(電気電子)
キャンパス:駒場Ⅱ
平本/小林研究室では、将来の革新的集積ナノエレクトロニクスにおいてデバイスサイドからイノベーションを起こすことにより究極の集積ナノデバイスを追究し、世界の諸課題解決に貢献することを目指します。
教員名:小林正治
大学院:工学系
専攻:電気系(電気電子)
キャンパス:駒場Ⅱ
「スピントロニクス」は、エレクトロニクスや情報処理に「スピン」の自由度を 積極的に取入れることにより、革新的な材料、デバイス、システムの研究開発を 行う学際的かつ横断的な分野です。「スピントロニクス」は量子情報科学技術と も深く関わりつつ、学術および応用技術の両面で急速な発展を遂げており、世界 中で激しい研究開発競争が行われている注目の重要分野です。材料、デバイス、 システムの各階層において、「電荷」や「光」に加えて「スピン」を用いること により、エネルギー消費を抑えた新しいICT技術の飛躍的発展をもたらし、新産 業の創造と現産業の強化、省エネルギー・環境調和型社会の実現に寄与すること が期待されます。このためには、物理学、応用物理学、電子工学、磁気工学、材 料科学、化学、情報科学およびそれらの境界領域・新領域にまたがる多様で横断 的な研究が必要であり、新しい学術の創造にも寄与します。
施設名:CSRN
大学院:工学系
専攻:電気系工学、物理工学、マテリアル工学、バイオエンジニアリング、総合研究機構、
理学系研究科、生産技術研究所、物性研究所、先端科学技術研究センターなどの教員も参加
キャンパス:本郷、駒場、柏