プラズマ・エネルギーフロンティア

環境・クリーン電気エネルギー

次世代の電力システムをつくる

現代社会は、電気エネルギーとそのエキスパートが支えています。再生可能エネルギー、電気駆動、 超電導、プラズマ、核融合などの技術を駆使して、環境問題に具体的な答えを出していきましょう。

環境・クリーン電気エネルギーとは?

 環境問題を解決し、持続可能な社会を実現することは、人類が最優先で取り組むべきテーマと言っても過言ではありません。現代社会は電気エネルギーが支えていることから、再生可能エネルギーの積極的な導入と安定供給可能な電力システムの構築は、課題解決に最も直接的に貢献する技術分野といえるでしょう。

 電気エネルギーの発生は、風力、太陽光、バイオマスなどの大量導入や分散型電源の普及、核融合発電の実現により、今後ドラスティックな変貌を遂げるでしょう。また、大容量バッテリーを搭載した電気自動車が電力系統に接続されることによって、これまで困難と考えられていた電力の貯蔵が、各家庭でも可能になると考えられています。それに伴って、電気エネルギーを輸送する手法も従来の前提が崩れ、中央集中型から自律分散型へ移行するために、新たな制御の方法論を導入しなければなりません。風力や太陽光などの天候に影響される発電量をリアルタイムに把握して情報 ネットワークで共有し、膨大な機器が連携して安定供給を実現するための、大規模かつ緻密なシステムを作り上げる必要があります。機器レベルの進歩に注目すると、PCやスマートフォン、電気 自動車などの機器が、電源やバッテリーの小型・大容量化によって普及しましたが、近年のワイヤレス給電の進歩によって電源ケーブルをもたない機器が当たり前になるかも知れません。

皆さんがこの分野で学ぶことによって、電力網などのシステム的な見方はもちろん、電力の発生 に関わる電磁界、プラズマなどの物理や、電力の効率的な輸送に関わる電気回路や超高圧送電、電力を使用する機器の駆動や制御などの理論や応用を体系的に学ぶことができ、これが分野の特色に なっています。教員は社会をリードしており、卒業生も電力インフラ、電機メーカー、交通、研究 機関、官公庁をはじめとする幅広い領域で活躍しています。

研究室の紹介

先端電力エネルギー・環境技術教育研究アライアンス(APET)の紹介

APETは、産学連携による教育・研究を実践し、電力システムおよび電力機器に関する幅広い知識を育成して、将来の電力エネルギー分野を支える人材を社会に届けることを目的とし、活動しています。

施設名:APET
大学院:工学系
専攻:電気系(電気電子)
キャンパス:本郷

APET

高電圧大電流工学、電気機器絶縁、放電プラズマ工学

熊田藤井佐藤研究室では、高電圧・放電プラズマ現象を対象として計測手法の開発、物理現象の解明、現象の工学的制御、新しい応用分野の創出など、様々な研究テーマに取り組んでいます。基盤、そして応用先ともに広範な学問領域が広がっています。

教員名:熊田亜紀子
大学院:工学系
専攻:電気系(電気電子)
キャンパス:本郷

熊田亜紀子

レーザ物理、レーザ計測、設備診断

直流グリッドが共存した次世代電力システムの実現に向け、直流絶縁や遮断技術の開発、交流機器の高度化に、光を用いた電界計測や、量子化学計算による絶縁材料の特性解明など多様なツールを用いて取り組んでいます。

教員名:藤井隆
大学院:工学系
専攻:電気系(電気電子)
キャンパス:本郷

藤井隆

計算科学・データ科学を活用した電気電子材料の創成

高電界現象解析やポリマー物性予測にこれまでの「実験(経験)科学」「理論科学」に加え、第三・第四の科学である「計算科学」「データ科学」を適用できる時代が来たように思います。自然法則と人工知能を協奏させ、材料律速な世界において脱炭素社会を具現化しませんか?

教員名:佐藤正寛
大学院:工学系
専攻:電気系(電気電子)
キャンパス:本郷

佐藤正寛

環境にやさしいインテリジェントなスマートグリッドの構築

再生可能エネルギーが大量に導入された電力システムを安定かつ経済的に運用していくために、設備計画、系統運用計画、系統制御、系統解析のあらゆる分野において計算機を用いて理論的検討を行っています。

教員名:横山明彦
大学院:工学系
専攻:電気系(電気電子)
キャンパス:本郷

横山明彦子

電気を使って電気を創る〜スマートグリッドに向けた機器の制御〜

パワーエレクトロニクスやエネルギー貯蔵技術、ICTなど新しい技術を電力分野に適用し、より良い電気エネルギーシステムの構築に資する研究をしています。実際に離島などに出向いて実験をするなど、ハードウェアに近い研究をしています。

教員名:馬場旬平
大学院:工学系
専攻:電気系(電気電子)
キャンパス:本郷・柏

馬場旬平

次世代エネルギー機器のための超電導技術

電気エネルギーの効率的利用と先進的電磁界応用システムの実現を目指して、超電導体や高性能永久磁石等の先端材料を活用し、優れた特性を有する電気エネルギー機器およびシステムの研究を進めています。

教員名:大崎博之
大学院:工学系
専攻:電気系(電気電子)
キャンパス:柏

大崎博之

エネルギーシステム分析と低炭素社会実現に関する研究

松橋研では、エネルギーシステムと地球温暖化対策の研究、およびエネルギー政策に関わる多様な研究をおこなってきました。現在は、再生可能エネルギーの導入拡大を考慮した電源構成モデルの開発と、限定合理性を考慮した新しいエネルギー経済モデルの構築を進め、これらを統合して研究を進めています。

教員名:松橋隆治
大学院:工学系
専攻:電気系(融合情報)
キャンパス:本郷・柏

松橋隆治

人工太陽=核融合エネルギーの開発〜経済的た核融合炉の追求〜

プラズマの基礎を固めた上で、人工太陽、プラズマ物理研究で欧米の超一流研究機関と競争ましょう。更に留学で他流試合を行って国際的に通用するプラズマ研究者・技術者へ成長されるよう願っています。先端国際研究拠点、プリンストン東大研究協力プロジェクトの中核として欧米との交流が最も盛んな研究室です。

教員名:小野靖
大学院:工学系
専攻:電気系(電気電子)
キャンパス:本郷・柏

小野靖

先進核融合プラズマの実現

経済的な核融合炉心の実現を目指した高性能プラズマ閉じ込めの実験研究を行っています。天体プラズマで普遍的に観測される「磁力線のつなぎ変わり」現象を積極的に応用した独創的な高ベータ化手法を採用しています。

教員名:井通暁
大学院:工学系
専攻:電気系(電気電子)
キャンパス:柏

井通暁

プラズマの基礎と応用(医療、マテリアル、航空宇宙、プラズマ計測とシミュレーション)

電気電子の技術である放電プラズマを使って、エネルギー・環境から医療まで、これからの日本を支える重要なテーマに幅広く取り組んでいます。新しいテーマにも果敢にチャレンジします。応用研究から、レーザー計測やプラズマ反応シミュレーションを駆使した基礎研究まで行っています。

教員名:小野亮
大学院:工学系
専攻:電気系(電気電子)
キャンパス:本郷・柏

小野亮

超高効率かつ低コストを実現する次世代太陽電池

次世代のエネルギーを担う超高効率かつ画期的に低コストな太陽電池を実現すべく、MBE (Molecular Beam Epitaxy) 法による結晶成長技術を用いた材料探索と最適化、および特性評価や分光・電気計測手法の開発 といった実験的アプローチから、数値計算などによる理論的アプローチまで多角的な研究を行っています。

教員名:岡田至崇
大学院:工学系
専攻:電気系(電気電子)
キャンパス:駒場Ⅱ

岡田至崇

エネルギーインテグレーションとスマートな継続的社会

資源・エネルギーの安定供給と地球環境問題の長期的対応を含めて持続可能であるという目標のもと、エネルギーインテグレーションとして、技術革新、社会インフラと制度改編などによる、日本および世界のエネルギー需給の戦略と現在から将来に向けての具体的な移行について研究しています。

教員名:荻本和彦
大学院:工学系
専攻:電気系(電気電子)
キャンパス:駒場Ⅱ

荻本和彦