集積パワーマネジメント:高宮真

パワートランジスタ駆動用波形制御プログラマブルゲートドライバIC

LSI設計とパワーエレクトロニクスの異分野連携により,パワートランジスタのゲート駆動電流をデジタルインターフェースで操作できるプログラマブルゲートドライバICを開発している。AI技術を使った自動最適制御によって,スイッチング時の損失低減とノイズ低減を両立するとともに,動作条件に応じた最適化手法の更なる高度化に取り組んでいる。

ゲート電圧波形の機械学習を用いたパワーデバイスの劣化推定

パワーデバイスの故障要因の一つであるボンディングワイヤ剥がれを、パワーデバイスのゲート電圧波形から機械学習を用いて検出する手法を提案している。従来の検出手法と比較して検出回路に絶縁の必要がなく、ゲート電圧波形から抽出されるパラメータに対して線形回帰アルゴリズムを適用することによって、負荷電流変動と温度変動にロバストなボンディングワイヤ剥がれ検出手法を構築した。

小型・高効率を両立するハイブリッドDC-DCコンバータ

従来の電源回路における効率と体積のトレードオフを克服するハイブリッドDC-DCコンバータの研究開発に取り組んでいる。特に,高入力電圧および高降圧比のアプリケーションに着目し,インダクタとキャパシタの混載により損失を低減する新しい回路トポロジーの提案と回路設計技術の開発に取り組んでいる。

複数の送信コイルの電流振幅と位相を自動的に検出・調整する無線給電IC

位置ずれに強い無線給電システムを実現するため、各送信コイルと受信コイル間の結合係数に基づいて複数の送信コイルが発生させる磁場を適応的に加算させるAdaptive Magnetic Field Adder (AMFA) ICを開発している。4つのパワーアンプと共用の結合係数センサを統合したAMFA ICによって、従来は給電できなかったコイル位置でも高効率な電力伝送を実現した。

高エネルギー効率のピクセル近傍2次元CNNアクセラレータ

画像認識を高エネルギー効率で行うことを目的として、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)アルゴリズムの本来の特徴である注目ピクセルの近傍に対してのみ畳み込み演算を行う点を利用し、ピクセル近傍に集積されたデジタル回路を用いて外部メモリへのデータ書き込みなしでCNN演算を2次元的に実現する。

電気の回廊