深宇宙探査機のインテリジェンス:久保田孝

深宇宙探査機のインテリジェンス

月・惑星・小惑星などの探査において,探査機が安全・確実に着陸し,表面の広範囲の探査を行うためには,探査機に高度なインテリジェンスが要求されます.当研究室では,未知環境である月や惑星表面を,無人探査ロボットが自律的に探査を行うための研究を進めています.広く宇宙における人工知能・ロボティクスに興味のある学生を歓迎します.新鮮な研究対象は、将来ミッションの中にゴロゴロしていて,覇気と情熱に溢れる学生にとって実に楽しい研究環境を提供しています.

ロボットビジョンによる環境理解

未知環境において探査を実現するためには,環境の理解が必要である.月惑星探査では時間遅れがあるため,探査機搭載のコンピュータで判断することにより,リアルタイムの判断と効率的な移動探査が実現できる.そこで月惑星を探査するためのビジョンシステムの研究,画像処理および環境認識の研究,地形地質マップの生成,障害物の抽出方法,自然地形認識,画像トラッキング,環境理解などの研究をおこなっている.

月惑星探査ローバの移動メカニズム

未知自然地形において,安全に柔軟に移動することが重要である.砂地でスタックすることなく,さまざまな地形を走破することが求められている.低重力の月や火星,微小重力である小惑星など環境に応じた移動機構も必要である.そこで,柔軟土壌を走行する車輪型ロボットの移動機構,走破性能の高い脚型ロボット,地中を探査するロボット,微小重力下における新移動メカニズム,超小型軽量昆虫型ロボットなどの研究を行っている.

人工知能搭載自律探査ロボットシステム

未知環境である月,火星,小惑星を自律的に移動探査するための人工知能の研究を行っている.障害物を回避し目的地に到達する経路計画手法の研究,SLAM(地図生成と自己位置推定手法)の研究,探査ロボットの行動戦略立案手法,自己故障診断手法,未知環境で走行するための地形分類,最適な行動を自動生成する学習機能などの研究を行っている.

複数ロボットによる協調探査の知能化研究

査機の大型化が行われているが,開発コストの増大および開発期間の長期化が課題となっている.そのため,逆転の発想で小型の探査ロボットを複数用いることで,問題の解決とともに新しい探査手法の構築を狙う.小型ロボットの分散探査方法.異種ロボットの協調探査,自己組織化マッピングを用いた行動計画,群知能などの研究を行っている.

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